5月21日(火)

朝。雨もだいぶん小やみになり表に出てみると、 昨夜は気が付かなかった川が宿の裏手に流れていました。

ちょうど宿のある場所で急角度に蛇行する川は、昨夜の雨で濁流と化しています。 ちょっと怖い場所でした。

そんなことはおくびにも出さず、用意された朝食を食べながら宿主と話しました。

私「おはようございます。部屋の内装、すごく素敵ですね」
宿主「あ、ありがとうございます。これ全部自分の趣味なんですよ。 部材なんか全部自分で選んで取り寄せて。2年くらいかかったかな。 まだ途中なんですけどね。」
私「え〜ご自分で。ひとりで?」
宿主「プロに頼むとお金がかかるし、つまらんものになってしまうから」

昨夜ちらっと会釈しただけだったコワモテの宿主は、 一変笑顔がやさしそ〜な気さくなおじさんに変身しました。

私「コチラのバイクは?」
宿主「現役ですよ。2台ともカワサキのバイク。自分のと嫁のです。 古いパーツを海外から取り寄せて自分で溶接したりしてね」
私「なるほど。器用なんですね。現役ってことはたまに走るんですか?」
宿主「ええ。この入り口からハンドルこじって。自分にしか出せません」
私「ええ?この玄関から?」

う〜ん。かなりの達人の宿主でした。

私「(正丸峠のワタナベさんにしてもここの宿主にしても、 好きこそ物の上手なれということだね)」

外で出発の準備をしていると、宿主の子供たちが出てきました。
女子高生と小学生の男の子です。
お姉ちゃんは素通り。ごもっともです。
弟はこっちを向いたので、おはようの挨拶だけしました。
照れくさそうに迎えのスクールバスに乗って行きました。

さあ、雨も上がった。出発です。



南紀の海岸線は、奇岩が多く景色に飽きません。
海の浅瀬に大岩がゴロゴロしています。

そんな海岸線を南下していると、こんな感じ。

『くしもと橋杭岩』

かなりの名所だと思いますが、世界遺産ではありません。

さらに南下を続け、

『潮岬灯台』

『潮岬灯台』からの眺め

灯台入場料が200円はいいとして、トイレがないんです。 ずっと手前に駐車場があって、バイクは灯台入口ギリギリまで進んでいいらしいのですが、 駐車場の売店が休業で、灯台下にもトイレがない。
年取って頻尿の身には非常にタイトなロケーションでした。

トイレ行きたくって景色どころではありません。
(でも最後まで我慢して粗相はしませんでしたよ)

潮岬灯台入口すぐ脇に立派な一軒家があります。
車やバイクはすぐサビる。家だって潮だらけ。 洗濯物も外には干せない。スーパーもなければコンビニもない。 一年の大半は強風に雨。
そんな住環境でどうしてと思うと、きっと素晴らしい青空と海がすぐ目の前に広がって、 「生きてる〜!」って思うんだろうなぁと想像しながら紀伊半島を北上しました。


南紀白浜の手前から山に入り、スマホナビの通りに進みます。

今回用意した地図は、製本の全国版マップルとキンドルの中国四国版マップルの2種類だけです。
そのため、紀伊半島は範囲に無く、どこに何があるのかさっぱりです。 机上で確認したポイントをスマホナビに事前登録して、それを単純に走るだけです。


目指すは高野山。
山道の高野龍神スカイラインを通って、高野山奥の院に到着。

奥の院までの参道


浅野家と四十七士の供養塔の前


奥の院手前の御供所からカメラNG

参道には時代を象徴する日本の偉人の供養塔が多くある中、 有名企業の物故者慰霊碑、震災慰霊碑など近代に建てられた 碑も多くありました。

ここの参道は、下側が左側通行、上側が右側通行になるようなんですが、 どこから切り替わるのかは不明でした。

弘法大師の廟の前で参拝して御朱印(\300)をいただきました。

今日のキャンプ地まで道が2つ。遠回りの国道とショートカットの村道。
迷わず村道を選択しましたが、これがまたえらい道でした。
全線舗装はされているものの、道は細くアップダウンも激しく、 ガードレールが無い深い渓谷沿いの道でした。落ちたら終わり。 対向車とすれ違い出来ないほどです。そもそも怖くて左に寄れません。
そんな道を10キロくらい下って付いたキャンプ場です。


なぜかピンボケ

『どーむびれっじキャンプ場』です。
川岸の山を開いて作ったキャンプ場で、コテージが数多くありました。
フリーサイトは多くの小石が交じる土。凸凹があります。 この場所まで土の斜面通路をエイヤッとバイクでよじ登ります。

正直テントを張りたくない地面、ロケーションです。 なので、無人のコテージを借りようと交渉すると料金6,000円はまかりませんでした。

・テント+バイク=1,000円
・薪=600円
・ビール=300円

下の方で2人のライダーがキャンプしていたので挨拶だけ。


夜は結構冷えます

キャンプ場オーナーが気が利く人で、バイクのカバーを貸してくれました。 普通のネイキッドでも小さいかと思いますが、一応夜露でバイクが濡れないようにとの親切です。

無料貸し出しカバー。パッツンパッツン






5月20日 5月22日