5月27日(月)



願掛けのためヒゲを剃らない10日目

朝。
カロリーメイト(メープル味)とコーヒーで朝食を済ませ、 アフリカツインの彼におはようの挨拶だけして、お互い早々に撤収にかかりました。

するとアッチは早い早い、あっという間に撤収完了、そのままゴーです。
ひとりポツンとキャンプ場に取り残された気分でした。

最後、首に巻く濡れタオルを作りに水道に行くと、「飲み水ではありません」の張り紙がありました。

流しの水は飲料NG

昨日は、写真の反対側で給水していて張り紙に全く気が付かず、慌てました。
「蛇口がある両側に貼っておいてくれよ〜」と。

飲んだものはしょうがない。天に任せて、 ゆっくり準備して、昨日パスした『24番札所 最御崎寺(ほつみさきじ)』に向かいました。

長旅に出ると、こういうトラブルというかエラーは日常、ネガティブなことは気にしない、 気にしない、気・に・し・な・い。


『24番札所 最御崎寺(ほつみさきじ)』

駐車場から境内まで急坂をかなり歩きます。
境内のすぐ隣に宿坊があり、通り過ぎ急坂を下ると室戸岬灯台に抜けられるそうですが、 バイクでさえ通行をためらうような道でした。
途中でUターン困難な道で大型バイクは特に進入禁止です。



道の駅『田野駅』

JR田野駅と直結している道の駅。安い手作り弁当がセルフサービスでいただける。
手作り弁当と麦茶を買って、テレビを見ながら小休止。


廃線した森林鉄道跡地の宝庫

ここ田野は、木材で栄えた地域で森林鉄道が山奥まで発達していましたが、 国産木材の需要減で森林鉄道も廃線。いまでは廃線マニアの聖地になっているそうです。



『赤野休憩所』

四国の街道には、お遍路さん用に要所要所にきれいなトイレが設置されていて、 道中困ることがないように気配りがされています。

ここ赤野休憩所もその一つです。

ツーリングマップルに風光明媚なところとメモがあったので寄ってみると、 高台から眺める太平洋が一望できました。



『赤野休憩所』東屋からの眺め

海に面した東屋で写真を撮っていると、徒歩の本気のお遍路姿の女性が東屋に入ってきました。
写真を撮りながら様子を見ていると、どうやらひとりです。
バイクに戻ってさっき買ったばかりの、まだ冷えている麦茶のペットボトルをもって、再び東屋に。

私「こんにちは。お疲れ様です。」
お遍路「こんにちは」
東屋のベンチに座って汗をタオルで拭く女性の顔を見ると、黒く日焼けした可愛らしい若い女性でした。

私「何日目ですか?」
お遍路「さあ・・・」

この一言が私の胸に深く突き刺さりました。
日付を忘れるほどの長旅。 女子ひとりで徒歩の遍路旅の過酷さは、容易に想像できます。 私が駐車場からお寺までヒーヒー言っているのが恥ずかしくなりました。

私「これ、差し入れです。暑いので気を付けて」
お遍路「あ、どうもありがとうございます」

と、私が冷たいペットボトルの麦茶(新品未開封)を差し出すと、 その女性は両手で丁寧に受け取り、浅く長いお辞儀をしました。

その所作にまた感動してしまいました。
普通なら片手で受け取るような物なのに、両手です。
この人は只者ではないと凡人の直感が働きます。

本気のお遍路を実行している人に、凡人が色々詮索することは禁忌と思い、 道中の安全を祈る言葉だけをかけて、先に進みました。

以下ひとり言。
「(宗教って凄いなぁ)」
「(カロリーメイトもあげればよかった)」
「(あ、カンパ忘れた)」

私は若いころ、旅先で出会った人生の先輩たちから様々な手助けを頂きました。 そのため旅先で出会う若者にカンパして、当時の恩に報いようとしています。


天気がまた崩れそうです。
夕方から降水確率100%になってしまいました。

今日の課題は、高知桂浜と四万十ブルーです。
私「(四万十で宿とるか?)」
私「(イイネ)」
私「(温泉付きのとこネ)」
私「(了〜解!)」





高知桂浜入口にかかる片側1車線のこの橋。
柵が低く幅は狭く高さがあり、かつ太鼓橋の形状からバイクで通ると非常に怖い。



土佐高知桂浜

高知市内のはりまや橋は、現在では橋の欄干のオブジェのみと過去のツーリングでガッカリしたのでパス。 今回は未達だった桂浜に焦点しました。

奥に見える赤い社がアクセントになる桂浜の有名なアングル。
駐車場(バイク50円)から社まで徒歩約20分。


丘の上の『坂本龍馬像』

海に対してあさっての方向を見つめています。



赤い社の上の展望台

桂浜の写真に必ず映る赤い社は神社の祠で、その上が狭い展望台になっています。 太平洋の荒波が岸壁を洗うのが良く見えます。



みやげ物屋2階の食堂

高知と言えばカツオなので、カツオのたたき定食(1,400円)をいただきました。
観光地のみやげ物屋の食堂といった場合、味はそれなりが相場ですが、 ここは違いました。
大きく厚みがある高知のカツオのたたきの味が、うまみ成分フルスロットルです。 う〜ん。実にイイ。


午前中に宿を予約した四万十に向かいます。
宿の住所をナビにセットすると、予想以上に距離があります。
四万十市と四万十町は全くちがう地域であることが判明。 ナビ上で40キロほど離れています。
高知 → 四万十町 →(40km)四万十市 です。 宿は四万十市でした。

しかし慌てる必要はなく、四国も無料の高速道路(自動車専用道路)が発達していて、 ショートカットが容易です。
片側1車線、60キロ制限ですが、そんなスピードで走行すると煽られます。
どこでもそうですが、黒い1BOXカーは軽でもなんでも運転が粗野で下品。
80で流していると煽ってきます。 タバコは投げ捨てするし。自分の故郷を汚すな!まったく。


ホテル到着。

漫画『おーい!龍馬』

四万十川すぐそばの展望大浴場付きのホテル・ココモに宿泊。
B&Bで4,100円。
このホテルにマンガの蔵書があって、その中に坂本龍馬の漫画がありました。
武田鉄矢原作とあったので読んでみると、すっかり引き込まれてしまいました。

全13巻。
読むのが遅い私は、明日の天気も怪しいことを言い訳に連泊申請。
明日は引きこもるつもりです。






5月26日 5月28日