PJフラットキャブレター オーナーズマニュアル

 ケイヒンPJフラットキャブレターセットのお買い上げ誠に有難う御座います。
取り付け、使用に際しては 必ずこの取り扱い説明書及び純正マニュアルをご覧になって
それに順じて作業を行って下さい。

取り付け : タンク、シートを外し 純正キャブ、アクセル系を外します(純正マニュアル参照)。

@PJキャブ本体から ヘッドのキャップ、スプリング、スロットルバルブを外し 車体にキャブを
  仮付けしてください。

Aキットのスロットルハウジングを車体の右側ハンドルにワイヤーが上になるように取り付け
 ます。注)ワイヤーの配管は必ずフロントブレーキホースの下を通るように配管してください。

Bワイヤーはフロントメーター前を通し フレームの左側に沿うようにし CDIなどの電装の後ろ
  から右側に反転するように配線してください。

注)車種により異なりますので 現状に則してワイヤーがハンドルを切って張らないように
  レイアウトしてください。

Cワイヤーエンドにキャップ、スプリング、スロットルバルブを取り付け キャブ本体に取り付けて
ください、その時 スロットルバルブカッタウェイ側がエアクリーナー側になりますのでくれぐれも
間違わないよう御願い致します。

D取り付けたスロットル、配管、キャブの不具合が無いかどうか確認し スロットル側からネジ類の
  本締めを行って下さい、キャブはインマニ側から本締めして下さい。

この時本締め終了後 軽くアクセルをスナップして スロットルが軽く作動するかどうかと 
スロットルバルブがパチンパチンと戻る事を確認してください。

=注意=

XR250 MD30の場合

※インマニの位置合わせ(映像中の白い部分)のリブをカットしてください。

=キャブセッティング=(取説末尾に各機構が載っていますので参照し理解して下さい)

@まずチョークノブを引きエンジン始動します(キック3〜5回 またはセル5秒しても掛からない場合は)直ちにノブを戻して そのまま再始動して下さい。(チョーク構造カブりますので)

Aエンジン始動後 チョークを戻しエンジンが止まらない様にアクセルを固定したまま チョークノブ先端(アイドリング調整機構)をねじりアイドリングの高さを調整してください。

Bアイドリングしましたらエンジン暖機後(5分程度)アイドリングを極力下げ エアスクリュを左右に少しづつ回し アイドリングが一番高くなる所を探します(全閉から1 1/2の範囲、全閉で高くなる場合は少し戻した位置にして下さい)。アイドリングが高くなりますので またアイドリングを下げ上記↑の行程を繰り返してください。

※エアスクリュのベスト位置はアイドリングが一番高くなるところです、そこで止めておいてください。また その高さが分かりにくい場合は レーシング(空ぶかし)で一番ツキが良いところを選んで下さい。

Cエアスクリュの位置が決まりましたらアイドリングを通常回転まで戻してください、出来ればその位置より1クリックアイドリングノブを高めにセットした方が良いレスポンスが得られます。

=補足= 

キャブセッティングがベストかどうかの目安ですが エンジン暖機後 所定のエアスクリュを調整の後 実走行します。その時ゆっくりスロットルを開けて低回転から吹きあがるまでにスムーズに回るかどうかを各ギアで確認します。スロットルを開けすぐにシャクリなどが出る場合 ニードルピンの位置を一つ上に上げて見て下さい。また ゆっくりスロットルを開け 吹き上がりがスムーズであれば ハイスロットルに兼ね合いもあり そのボコ付き(息ズキ)はアクセルの開け過ぎの為によるものです。特に市販4サイクルはクランクやフライホイルが重く 低回転からのツキはラフなアクセルワークについてきにくいです。ですからその場合はPJに加え フライホイル超軽量等の加工をセットでお勧めしているのです。再度上記↑のことを確認して見て下さい,よろしくお願い致します。

(注意)キャブの本体にスロットルバルブを差し入れる時 無理に押し入れたりしないで下さい、自然にスルッと入りますのでくれぐれも最新の注意を御願い致します。また スロットルバルブを落としたり傷を付けますとキャブの張り付きの原因になります、組み付け時に汚れた手やスロットルバルブにホコリも厳禁ですのでくれぐれもご注意下さい。

マニュアルデコンプ付き車両について

PJのエンジン始動に際して チョーク形式がノーマルと異なり チョークレバーを引くと直接燃料が出るタイプなので キック5回以上して掛からない場合は ただちにチョークを戻してください。かなりの燃料を吸い込んでいて 掛からない状態です。その場合は マニュアルデコンプを引き アクセル全開で 空キックを5回以上して シリンダーを乾かしてください。そして チョークは引かないまま アクセルは引き始めぐらいが一番掛かり易いです。なお チョークを引いて掛かった場合でも そのまま置いておくとカブッテしまいエンジンストールする状況になりますので すぐにチョークレバーを下ろしてください、アイドリングをはじめます。

(注意:1)湿式のエアクリーナーエレメントをご使用の場合 粘度が高いフィルターオイルの付着は絶対に避けて下さい、メンテ方法はガソリンでエレメントを洗浄後硬く絞り 手のひらに乗る程度の4サイクルオイルを満遍なく付けて下さい。粘度の高いフィルターオイルは吸入抵抗になりアクセルレスポンスが悪くなります。エレメントのお勧めはツィンエアのフレームセットです。

(注意:2)MD30の場合 PJキャブのみの装着ではセッティング出来ません(メーカージェットの設定が無い為)、ノーマルカムが従来のモノ(旧XLR)より燃料を吸わないからです。最低限ME08ノーマルカムか 当店お勧めのコンペカムの交換を前提となっています。また フライホイルの重量が非常に重い為 極低速ではボコ付きを起こし易く フライホイル超軽量(23%)をする事でPJのレスポンスが引き立ちます。そして 点火タイミングも従来のものより遅く また スロットルセンサーを外してしまいますので パルス進角加工を施しME08程度まで点火タイミングを引き上げる必要が有ります。それとエアクリーナーの吸入口がノーマルでは小さ過ぎて最低外すか、不純物の進入を遮るME08のダクトを装着するわけです。以上の理由でMD30の場合 通勤快足セットのセットで購入下さい、よろしくご検討ください。

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=セットアップ(初期設定)に迷った時は=

まず キャブのスローJ、メインJを触ることはまずありません、中にごく稀にニードルピンの位置が一番上になるものがあるくらいです(これはエンジンの圧縮状態などに個体差があるからです)。

初期設定のアイドリングを出す時に大体の目安を記しておきます。


 ↑ 図 @ アイドリングスクリュ    ↑ 図 A エアスクリュ

↑上記図@のアイドリングスクリュの位置がチョークを戻した状態で真鍮の首が5mm(5mm以上)程度見える状態。
5mm以下の場合はアイドリングスクリュを回し 基準値まで戻してください。


↑上記図Aのエアスクリュの戻し回転は全閉〜多くても1回転と1/2までで それ以上になる事はありません。

○それでもアイドリングがしない場合

上記2項目を実施してください。

1.)アクセルホルダーのワイヤー調整ネジの遊びを無くし 直接スロットルバルブが上がりアイドリングするようにします。

2.)遊びを無くし 回転を下げアイドリングスクリュで回転が上がる位置を探します。

3.)アクセルホルダーのワイヤー調整ネジを緩め遊びを作ります。

4.)エアスクリュで回転が高くなる位置を探します。

5.) 3.)4.)の行程をを繰り返しベストの位置を出してください。 


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